二十四節気

立秋によく聞くのが「立秋なのにこの暑さ」、立春には「立春なのにこの寒さ」だ。ほんともう聞き飽きたって感じだ。

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地球の地軸が黄道に対して23.4°傾いているために、地球の公転軌道平面である黄道面と地球の赤道を含む平面である赤道面は一致しない。そのため天球図において黄道上に特徴的なポイントが4箇所できる。

天球図は地球の北半球からの天体観測を前提としている。そのため太陽がD点付近にあるときには北半球では太陽の南中高度が最も高くなる。昔の人はこれを『夏至』と名付けた。また太陽がC点付近にあると、太陽の南中高度が最も低くなる。これは『冬至』と名付けられた。なので天球図のD点は『夏至点』、C点は『冬至点』と呼ばれている。

赤道と黄道が交差する点ABで、太陽が冬至点から夏至点へ移動する途中にあるのが春分点夏至点から冬至点に移動する途中にあるのが秋分点である。春と秋は季節に合わせてある。そして冬至春分の中間が立春と名付けられた。他の立夏立秋立冬も同じように、2つの分点と2つの至点の中間となっている。これら二至二分四立の8つは気温とは無関係に付けられた名前となっている。

そして1年つまり見かけ上の太陽の公転周期がおよそ12朔望月からできていることから、8と12の最小公倍数である24のポイントが定められた*1。そして1年は12の節月から構成され、節月の始まりとなるポイントが正節、正節と正節の間が中気となった。

さて夜明けで太陽が昇ると光を受けて地表が温められ、太陽が沈むと熱が放出されて地表は冷える。地表は熱溜めでもあり、太陽高度の変化よりも気温の変化の方が遅れることが観測されている。実際の気温は未刻から申刻、特に申刻の始まり辺りが最も暑い。同じように1年の中では未月から申月が最も暑い。そして申月の正節は立秋だ。立秋が暑いことになんの不思議も無い。それでも『秋』の文字に引きずられて何か言わないと気が済まないのが人間というものなんだろうね。

*1:この定め方は実は単純な話ではなくて、突つけばややこしい話がいくらでも出てくる。