壬辰年

今年*1の干支*2は壬辰(みずのえ−たつ)なんだけど、辰の命獣が竜であることから「何で辰だけ空想上の動物なの?」という疑問があるみたいだ。これへの1つの解答は、「竜は本来は今でいう揚子江アリゲータなので、空想上の動物ではなかった。」になる。実際竜の初文は、王の印の冠をかぶったトカゲの様な形をしている。また現在の竜の字形の下部は甲羅の甲の様でもある。関連する話として、十二支はそれぞれ対応する獣肉があるけれども、辰に対応する肉は亀肉でも良いということになっている。

もっとも十二支と十二命獣の対応関係が何処で何時頃生まれたものかは、はっきりしていない。ただ秦の時代には既に成立していたようで、雲夢睡虎地で発見された睡虎地秦簡の日書には「子の日に入った泥棒は鼠みたいな顔をしている」みたいな記述があるらしい*3

ついでに言うと、いわゆる神代文字で十二支を表したとき、子、丑、寅が、甲、乙、丙の甲骨文の書体と同じであることから、竹内健さんは十干も本来は十二干であって、それから十二支が派生し、十二命獣と結びついたという説を唱えている。

*1:とりあえず立春までは待って欲しいけど。

*2:“カンシ”ね。

*3:玄珠さん情報。