艮の金神様

日本の新興宗教の雛形ともいうべき大本教は、悪神によって封じ込められていた「艮の金神様(うしとらのこんじんさま)」が封を解かれて*1この世の大建て替えを行うという、終末的世界観を持っている。そして大本教の系譜上にある「日月神示」では、金毛九尾の狐である白面の者との最終的な闘争が描かれている。

ところで週刊少年サンデーでは1990〜1996年にわたって「うしとら」と略称されるマンガが連載されていた。藤田和日郎の「うしおととら購入)」である。そして「うしおととら」では、九尾の狐である白面の者が打ち倒されることで大団円となる。おそらく主人公「うしお」とその相棒「とら」の名前は「艮(うしとら)」から逆算されたのであろう。

世紀が改まって数年たち終末観も流行らなくなったが、そんなこととは無関係に「うしとら」は今読んでも充分に面白い。合気道の開祖である植芝盛平翁は、大本教二代目の出口王仁三郎のモンゴル行に同行して王仁三郎のボディガードを務めたが、それに関係してか鎗田先生は「うしとら」を全33巻揃えている。

*1:「滝の行者」と異名をとった金井南龍は、この封印破りが趣味だったらしい。