瞑眩(めんけん)

ホメオパシーを始めとする胡散臭い“だいたい医療”の関係者が、自分達の所業を誤魔化すために『好転反応』という言葉を使用することがある。“好転反応 - Wikipedia”には以下のようにある。

好転反応(こうてんはんのう)とは東洋医学(按摩や鍼)で使われる用語で、治療の過程で起こる予期しない激しい身体反応のこと。 またいわゆる健康食品や健康器具のセールスの場にて、しばしば副作用、不適応をごまかすための用語として使われるので、注意が必要である。

“だいたい医療”において使用される『好転反応』が危険なのは、正しい治療の妨げになるからだ。私の出身地である愛媛県でも、現在、非常に痛ましい事態が進行しつつある。ホメオパシーの信者になった母親が、腎移植を行った子供への標準的な医療を拒絶し、重篤な事態になりつつあるのだ。

【緊急】再びホメオパシーで幼い命が失われようとしています−まぶたの匠・湘南美容外科 Dr. GO のBlog
↑について『当該児童は医療機関を受診済み』との続報が入った。良かった良かった。

さてこの『好転反応』は、中医学の『瞑眩(めんけん)』が元になった概念のようだが、本来の瞑眩が症状の悪化みたいなものを意味していたかというと、全然そんなことはない。これについては鎗田先生がちゃんと調べている

瞑眩はどちらも“クラミ”の訓を持つ文字で、文字通りのクラっとくる感覚が瞑眩の意味するところのようだ。つまり薬を服用したり、鍼灸按摩の施術中にクラっとくる感じがするのが、瞑眩反応というわけだ。

この薬でクラっとする感覚があるのは、個人的な体験ではあるけど、別に漢方薬に限らない。風邪薬でよく処方されるPL顆粒でもクラっときて眠ってしまうことは、私の場合よくあるし、クラっときて眠った後はすごくすっきりした感じがある。

にしても、症状の悪化といったものまでを瞑眩反応と呼ぶのは、強弁ではないだろうか。
瞑眩に関して鎗田先生はこう結論している。

とすれば、漢方しかり、方位術しかり。本当は悪化しているのに「メンケン反応」と誤解して言い張るのは藪医者であり、別の現象が出ているのに「毒だしだ」と思いこむのはヘボ術者であると言える。
いや、きつい言い方をすれば、「メンケン反応」が出る時点で、その術者は腕が悪いのではないか、と疑う必要があるのだ。それが、「実際には悪化している」などは、論外であることはいうまでもない。