紫氣の謎

最近、この日記で言及することの多い黄先生のコラムだが、七政四余1(1)に以下の記述がある。

 この七政星学の「七政」とは、太陽・月・水星・金星・火星・木星土星の七つの天体を表します。また「七政四余」という名称で呼ばれる場合の「四余」とは、月の遠近点および白道(月の軌道)と黄道(太陽の軌道)の南北交点を指しています。

四餘*1とは、羅[日候]*2、計都、月孛、紫氣のことで、、羅[日候]と計都が月の軌道である白道黄道の交点であることには異議はないが、月孛、紫氣が月の遠近点と言って良いかどうかについては疑問を感じている。

Wikipedia近点月についての記述に以下がある。

月の近地点は太陽の摂動により歳差がおこる。このため、月の近地点は3232.589日(約8.85年)で地球を一周する周期で進み、近地点は月が公転軌道を一周するごとに反時計回りに約3度動く。このため、近点月は恒星月より約5.5時間ほど長くなっている。

つまり近地点の公転周期はおよそ9年ということだ。月の軌道は円に近い楕円であり、近地点と遠地点は同じ公転周期を持っていると考えられる。ところが時々参考にさせてもらっている福山堂さんの記述では、月孛と紫氣の公転周期は同じでなく以下のようになっている。

紫氣:右旋二十九日行一度,二十九月行一宮,二十九年行一周天。
月孛:右旋九日行一度,九月行一宮,九年行一小周天,六十二年行一大周天。

これだと月孛は紫氣よりもずいぶん速く、月孛が紫氣を追い越すこ現象が発生することになる。月孛と紫氣が月の遠近地点ならこのような現象は発生しないだろう。公転周期からみて、月孛が月の遠地点か近地点なのは間違いないだろうが、紫氣は別のものだろう。それとも私が大きな考え違いをしているのだろうか。

*1:黄先生の表記では四余

*2:さすがに字がない。個人的には羅猴の方が似合っているように思う。