“ツイタチ”と“ミソカ”

太陰太陽暦

極東アジアに位置して中国の影響を強く受けてきた日本は、明治の改暦まで太陰太陽暦のシステムを採用してきた。このシステムでは朔つまり新月の瞬間を含む日を、月が立つ日としてその月の『1日』とする。なので『1日』は“ツキタチ”→“ツイタチ”という呼び方がある。また漢字の『朔』には“ツイタチ”の訓がある。

朔から次の朔までの周期はおよそ29.5日なので、太陰太陽暦の大の月は30日、小の月は29日となる。そのため30日は確実に月末ということになる。『三十』が“ミソ”と読まれることがあるのは、五七五七七音で構成される短歌の別名が“ミソヒトモジ”*1からも明らかだろう。そのため月末を“ミソカ”とよぶようになったのだろう。そして年末のミソカが大晦日(オオミソカ)だ。漢字の『晦』は月が出ないことを意味していて、月末は新月の直前なので日の出前にチョロっとしか月が見えないので月末を『晦日』としたのだろう。

また漢字の『晦』には“ツゴモリ”の訓があるけれども、この訓は『月籠もり』から来ているのだろう。(2018年12月03日追記)

この辺りに少し触れているのがこの動画だ。

紫微斗数と暦の問題

というようなことを、id:wattoさんのエントリの以下の記述で思ったわけだ。

例えば日にちに関しては、2日 = “フツカ”、3日 = “ミッカ” … と10日まではヤマトコトバと助数詞 “カ” の結合で表され、11日からは “ジュウイチニチ” …と漢語+助数詞 “ニチ” に変化し、20日のみ “ハツカ”(דハタカ” の転化?)に戻り、30日は大晦日など限定的に “ミソカ” が生き残っているというイレギュラーが採用されています。

ところで 1日 = “ツイタチ” って、語源は何なんでしょうね?

遅くなりましたが、id:wattoさん、ランクインおめでとうございます。

ところで、月の公転周期が27日7時間43.193分なのに、朔から朔が平均で29.53日なのは何故だ?と疑問を感じたアナタ、アナタは鋭いです。

*1:5、7、5、7、7で合計31音節、日本語は仮名1文字1音節なので31文字となる