四柱推命パーセプトロン

概要

基本的には、十干と十二支それぞれに入力ラインを設けて、日干支から日干と日支の入力ラインに1、その他の干支の入力ラインには0を入力する。また干支とは別にバイアス素子を設け、その入力ラインには常に1を入力する。パーセプトロンは各入力ラインの結合係数と入力の積をとってその和からSigmoid関数の値を計算して出力とする。各入力ラインは0か1の値しかとらないので、基本的には日干、日支、バイアス素子の結合係数の和からSigmoid関数の値を計算することになる。

訓練方法

とある人物のほぼ1年分の日記の記述から、その日その日の吉凶を判別する*1。そして得られた吉凶を教師情報として、各入力ラインの結合係数の最適化を行う。最適化の手法としては最急降下法を使用した。また通常、パーセプトロンでは局所最適化への収束を阻害するために、直前の最適化で得られた値に慣性係数を掛けたものを使用する。今回は教師情報は吉凶の2値としているため、教師情報自体がバラツキを持っていると考えられるため、慣性係数を0.1と比較的小さな値とした。

訓練結果

十干の訓練結果

十干についての訓練については図からわかるように、回を追う毎に結合係数がほぼ一定の値に収束して行く。値そのものは+2.5〜-2.6にわたって分布しており、最後の10回の訓練における結合係数のバラツキとしての標準偏差は0.21〜0.06に収まった。壬の結合係数が正で最も大きい値である+0.25を取り、標準偏差は0.21であった。また丙の結合係数が-0.26で最も小さく、標準偏差は0.06であった。つまり四柱推命として見たとき壬が喜神、丙が忌神として確定したと考えて良いだろう。また四柱推命とは無関係に見たとしても、10日の周期が日々の吉凶といったものに影響を与えると判断することは可能だろう。

十二支の訓練結果

一方十二支については、図からわかるように1年分の教師情報ではまだ収束に至っていない。これは十干の相互作用が相生相尅と干合のみで、十二支間で発生する、合・刑・会・冲といったものと比べると比較的単純なものであることの反映と推測される。また十二支については季節による強弱の変化や、大運や歳運との相互作用の影響が大きいのではないかと推測できる。

バイアス素子の訓練結果

バイアス素子については結合係数が毎日値が変化することになる。それを追ってみると、1年の中で値がユックリではあるが大きく変動していることが観察される。四柱推命の観点からは、この変動は月支の影響であると考えられる。また今回の結果では平均して負の値になっているが、これが大運・歳運の影響を表していると考えて良いだろう。

自分のデータではないために、実際の命式やデータ元からの評価を出すことが出来ないので隔靴掻痒の感があるが、日々の吉凶について、干支の影響があると考えても良さそうなデータが得られたと考えている。ただし十二支の喜忌については単純に訓練データを増やすことよりも、月支との相互作用などについての観点から評価し直すことが必要かもしれない。

*1:日記作成者の了解済。