ノストラダムスの大予言

小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」が更新されていて『ハルマゲドンと「グレートリセット」という願望*1』というエントリが挙がっていた。その中で今の40代くらいをノストラダムスの大予言の直撃を受けた世代としていたので、それに関して思い出話を少々。

私は現在54で小田嶋隆とほぼ同世代になるけど、ノストラダムスの百詩編の中の一番有名な「1999年7の月」で始まる詩に触れたのは、中学か小学校の頃になる。少年マガジン平井和正原作、石森章太郎*2作画で1967年から『幻魔大戦』の連載が始まった。私には面白かったのだけど、そんなに人気が無かったようで唐突にエンディグを迎えて終わってしまった。打ち切りだったのだろう。この幻魔大戦の最終話に「1999年7の月」で始まる詩が紹介されている。確かこれ以降、少年マガジン誌上の読み物のページでノストラダムスの予言詩の特集が組まれたことがあったはずだ*3

なので五島勉の『ノストラダムスの大予言』が出た時には、マガジンの焼き直しみたいな印象を受けたし、高校の頃に放課後の自転車置き場で「やっぱり幻魔大戦の訳が一番好いよね」みたいな感じでSF者の友人達と話をしたのを記憶している。なので五島版の「ノストラダムスの大予言」以前に、ノストラダムスの直撃を最初に受けた世代は今の50〜60代で、中でもSF者達が強く影響を受けたはずだ。多分、私の世代かそれ以前の世代において、SFとサブカルはまだそんなに分離していなくて*4少年マンガ誌の読み物ページがSF絡みみたいな感じで、時に、今の学研のムーのように機能していた様に思う。

こういう感じで私の中にはSFとサブカルの通底のイメージがあるので、私と同世代でSF者の菊池誠さんオウム真理教事件でショックを受けた、特に高学歴者がオウムに取り込まれた理由が判らなくてショックだったというのが、逆に私にはちょっと理解しにくかったりする。

でもまあ小田嶋隆じゃないけど、グレートリセットってつまりは「御維新」てやつでヤヴァいと思うよ。前の御維新じゃ内戦があったからなぁ。

*1:http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20120105/225840/?mlt

*2:当時の筆名

*3:多分、数回。

*4:ハードSFがうんたらとかいう、内部での色の違いはあったけどね。