まあかく言う私も一昨年に高橋圭也さんの『陰陽講釈』の講義を聞くまでは、誤解していたのだから他人に説経できる立場ではないのだけど。
中世陰陽道研究の泰斗である小坂眞二先生は、陰陽道について以下のように語っている*1。
陰陽道とは、日本の律令官制で陰陽寮に配された陰陽博士と陰陽師が所管する国家機関について、九世紀ごろより使用されだした呼称である。
晴明の『天文道』も同じように「天文博士が所管する国家機関について」の呼称だったのだろう。陰陽寮以外でも大学寮の『明経道』、『明法道』、『算道』その他がある。
陰陽五行に基づいた方術としての呼称ではなく、国家機関の名称としての『陰陽道』だったというわけだ。