Tarot ←私はタローと読みます

蘭光生というエロ作家がいた。蘭光生は多くのペンネームを使って著述活動をしていた。式貴士はその中でも一番有名だと思うが、私にとっては、少年マガジンに連載されていた「変な学校」の校長の間羊太郎の方が印象に残っている。「変な学校」では占術を紹介していたこともあり、手相の見方なんかは凄く参考になった。

蘭光生は、ウラヌス星風という名前の占星術師でもあり、占いで凶とされた日には家から出なかったというくらいの、徹底した占い師だった。この徹底ぶりが「Tarotはタローと読むべきでタロットと読むのは変だ。タロットなんて変な読み方を流行らせた奴は責任を取れ。」という形で種村季弘にケンカを売らせることになる。

これはどっちが正しいかという点では、ウラヌス星風の方が100%正しいだろう。少なくとも、Tarotをタロットなんて読むのは日本くらいのもので、昔からTarotに親しんでおられる田中潤司さん*1は今でもタローと読んでいる。英語圏でもTarotはタローと読む。

もっとも種村季弘は「そんなのドーデモイージャン」と思っていたのか、暖簾に腕押してな感じでケンカらしいケンカにはならなかったようだ。私は悪しきデファクト・スタンダードは嫌いということもあり、田中潤司さんの謦咳に接してからは、他人には強制しないが自分ではタローと読むことにしている。蟷螂の斧ってやつだけどね。

*1:ディクスン・カーと会ったことがあるそうだ。また Golden Dawn の生き残りに会ったこともあると御聞きした。