予嘗為女妄言之、女以妄聽之*4

タイトル通り1から10まで妄想の話。信長とか義満の話をしてしまうと、この話をしたくてたまらなくなるので、個人的なガス抜きです。興味のない人は読まないこと。

かって皇室に手を出した義満と信長は、それぞれ目的達成の直前に急死している。政治的に皇室をギリギリと締め付けていった義満は多分毒殺、圧倒的な軍事力を背景に改暦等の横車を押した信長は部下の反逆にあって討死と、それぞれのやり口に合わせた痛烈な御返しがなされた。

半村良は「産霊山秘録(購入)」(ISBN:4894565811)で、このような現象の背後に皇室を外護する秘密の組織があったとし、「ヒの民」という一族としてそれを描き出している。*1そして半村良のように、皇室を外護する秘密組織の存在を仮定し、その痕跡を追っている方がいらっしゃるのではないかという疑いがここ何年も私の頭を離れない。その御方とは、皇太子徳仁親王殿下である。

皇太子殿下は世間からどう見られているかは知らないが、私にとってはBig-Xな存在である。まず第一に、皇室にあって日本史を専攻されているという点で既に特異な存在ではないだろうか。昭和天皇も今上陛下も生物学を専攻されている。その中で神話の世界に起源を持つとされる皇室の一員である殿下が、日本史を専門分野として学ばれるということは、へたをすれば御自身の身を危うくしかねない行為ではないだろうか。昭和天皇から簡単に許可が出たとは想像できないのだが、にも関わらず殿下は日本史を専攻されている。

しかも殿下が大学4年の時に所属されていた歴史研究会で、殿下は研究対象として「看聞日記(看聞御記)」を選ばれている。これは伏見宮貞成(さだふさ)親王の膨大な日記で、伏見宮は現皇室の直系の御先祖にあたる御方ではある。しかし伏見宮の時代はあの義満の時代であり、看聞日記は、熊沢天皇*2絡みで「伏見宮は義満の私生児だ、それは看聞日記を検討した結果明らかになった。」といわれるような、いささか危ない資料でもあるのだ。

そして殿下の御専門は、日本史の中でも中世水運史である。中世日本において水運を担ったのは、ワタリ者といわれる非農民や海賊といった、常民とは異なる人達である。後醍醐天皇鎌倉幕府に反抗するために、非常民の力も借りている。異形の風体の非常民の人達が御所に出入りするので苦情が出ている程だ。*3

南北朝の時代において、南朝は見捨てられ北朝は外護された。何故?そしてそれらは特定の集団が実行したのか?その集団は今でも存在するのか?」、皇太子殿下はこの疑問の解答を探索されているように見受けられる。そして探索だけなら、それはそれで結構なのだが、対米交渉のエキスパートを万難を排して御妃に迎えられたわけだ。探索のその先が無いことを祈りたい。

あ〜すっきりした。

*1:半村良は経歴に謎が多く、私は密かに、半村良は「妖星伝」(完本 妖星伝〈1〉鬼道の巻・外道の巻(購入)(ISBN:4396326440)、完本 妖星伝〈2〉神道の巻・黄道の巻(購入)(ISBN:4396326513)、完本妖星伝〈3〉終巻 天道の巻・人道の巻・魔道の巻(購入)(ISBN:4396326572))に描かれている鬼道衆のモデルの一つであろう山窩(サンカ)の末裔ではないかと疑っている。

*2:後南朝の末裔を自称した。もっとも当の熊沢寛道氏は養子だったという話を−裏取はしてないが−聞いたことがある。

*3:網野善彦の「異形の王権(購入)」(ISBN:4582760104)を参照のこと。網野善彦も故人となってしまった。宮崎駿は「もののけ姫」の覆面集団を描くにあたって、この本を参考にしたと思う。