南龍プラン

もう故人となったけど、金井南龍*1という異端な神道家がいた。神道家という割りには、死ぬと祖先霊の世界に還り、適当な期間を経てまた現世にやって来るという素朴な往相感を採用していなかった。金井南龍によれば、この地球は魂の煉獄であり、天上の神界で不始末を起こした魂が修行をやり直す場とされていた。そしてこの地球の屋敷神である国底立尊は荼枳尼天でもあり、地球を修行の場として提供する換わりに、修行に失敗した魂の根幹の部分を食用とする存在なのだそうだ*2

金井南龍によると、神界から地球におとされた魂の修行の状況を監視あるいは、修行の手助けのために、神界から飛来してくるのがUFOなのだそうだ。このアイデアは『オイカイワタチ』等とも通じていて、カルト宗教に様々な影響を及ぼしている可能性がある。

そして金井南龍は革命家でもあった。日本で革命が成功した時、おそらく天皇家の処遇には困るだろう。「天皇家など皆殺しか、国外追放だ。その流血なくして真の革命とは言えない。」と主張される向きもあるだろうが、それをやった後の反動を考えるとあまり現実的な方法ではないだろう。

金井南龍は、この問題に対して以下の2つを骨子とする現実解を持っていた。

私はこれを『南龍プラン』とよんでいる。金井南龍は後者のアイデアを実現化するべく、天皇家によって封印された白山神界の封印を解く作業を進めていたそうだ。

もっとも金井南龍は、革命を成し終えることなく故人となってしまった。

ところが意外な所で南龍プランの前者が採用されていることがわかった。辻元清美は2000年にこういうことを言ったそうだ。

本当のことを言えば、(憲法)1条から8条(=日本国憲法第1章)はいらないと思っています。天皇制を廃止しろとずっと言っています。

日本国憲法は9条から始め、天皇は伊勢にでも行ってもらって、特殊法人か何かになってもらう。

辻元清美が金井南龍を知っていたとは思えないけど、似たようなことを考える人はいるものなのだな。金井南龍が革命家でもあったように、辻元清美も政治家というよりは革命家なのだろう。

*1:滝の行者という異名があったらしい。

*2:修行を成し終えた魂は天上にある元の神界に還って行く。

*3:金井南龍によるとそれは菊理媛神を頂点とする白山神界だそうだ。そして白山神界はグローバルな存在らしい。

*4:でっち上げでも善いのだろう。