肺魚

例の本多信明先生の『肺の皮膚起源説』関係でWikipediaをいくつか探ってみた。

気になっていたのが肺魚の話で、どう気になっていたかというと、

  • 肺魚は魚の中でも原始的な部類
  • しかし肺は立派
    成魚は左右一対の肺を持つ。
ということで、ウキブクロから進化したはずの肺と原始的な魚というミスマッチが気になっていたわけだ。

しかしハイギョ - Wikipediaで疑問は氷解した。肺がウキブクロから進化したのではなくて、肺からウキブクロが進化したということだったのだ。Wikipediaの記述を引用する。

これらの肺は現生の硬骨魚類が持っているような鰾(うきぶくろ)から進化したという学説がかつては一般的だったが、原始的な硬骨魚類が既に空気呼吸器官として肺を獲得しており、逆に「鰾は肺から進化した」とする説が有力である。

ということで本多先生の説とは違って、肺は陸上生活の前から用意されていたわけだ。なお肺魚は胸鰭や腹鰭が発達していて陸上を移動できるという話もあったが、肺魚システムさんのところで実際の写真を見てみると、ネオセラトドゥス・フォルステリィ*1は確かに立派な胸鰭・腹鰭を持っている。だがそれでも地上移動にはそんなに耐えられない印象だった。

*1:こいつの肺は未発達で、地上では酸素が足りないらしい。