中村正三郎さんの HOT CORNER(アサブロ)の2006/02/16のエントリである「スティグリッツ経済学と薮下史郎(ショートバージョン)」には以下の記述がある。
その中におれが問題だと思っている箇所がある。
まず、同書200ページ上から10行目あたり。以下のpcは、ほんとはpが小文字でさらにcが下付きなんだけど、テキストじゃ表現できないので、Pcと書く。
Prも同様。句読点は、「,.」だが面倒なので「、。」のまま。
- ここから ---
以上からわかるように、消費者価格をPc, 生産者価格をPr, そして従量税率をtで表せば、
Pc = Pr + t
という関係が成り立つことがわかる。
- ここまで ---
この文章と数式は、理系の試験なら、大減点。おれの学生でも大減点。先生によっては0点。下手するとマイナス点。\(^O^)/
なぜなら、単位の次元がでたらめだから。価格と率という別の次元をもつ単位を一緒くたにするのは、理系なら考えられない。
100円 = 95円 + 5%
こんな式を平気で書く奴を、絶対に信用してはならない。
これは私も同感。
…(1)
この式に現われる変数の単位のdimensionは、
(訂正しました。)
となるので、との単位は合っているけど、の単位が合っていないので全く式が成立していない。単位をそろえるとして、これが「課税後の限界費用曲線はtだけ上方にシフトすることにな」る*1であるならばおそらく、
…(2)
となるはずだ。私には(1)と(2)が同じには見えない。経済を勉強すると見えるようになったりするのだろうか。もし(1)がそのまま成立するならの単位は、税率ではなく単位数量あたりから徴収される税金そのものであるはずなので、用語の使い方が非常に杜撰だと思う。この杜撰さは「科学」の許容範囲外だろう。