図1. 円盤(森林型) |
図2. ドーナツ(砂漠型) |
放送大学の東アジア・東南アジアの住文化講座でいうところの、中庭を持つ砂漠型の住居と森林型の中庭の無い住居は、図形の性質として本質的に異なっている。トポロジー的には森林型の住居内の形状は円盤と同相で、砂漠型の四合院の建屋をつないだ形状はドーナツ*1と同相になる。
この円盤とドーナツの形が本質的の異なっていることをしめす良い例として不動点定理がある。不動点がどのようなものであるかの説明は色々あるが、ここでは扇風機で風を起こしてみることにする。すると円盤の中では、必ず少なくとも1点風が吹かない点が発生する。これが不動点である。例えば、扇風機を円盤の縁において円周に沿って風を流せば、円の中心では風が吹かない。
ところがドーナツ型ではこの不動点が存在しない場合が発生する*2。つまり必ず不動点を持つ図形と、不動点の無い場合のある図形という本質的な違いが、円盤とドーナツの間にはある。
ということで、砂漠型の住居が基本になっている中国で生まれた風水が、そのまま日本で適用できるかどうか、今のところかなり疑問に思っている。