Profectionと小限

西洋占星術の後天運を見る方法の一つに"Profection"と呼ばれる技法があることを、最近教えてもらった。この方法は、出生時のホロスコープの ASCを生まれた年のASC、2室のカスプを満1歳の時のASCと、毎年ハウスカスプの順にその歳のASCを変えて行くという方法だ。中国占術でハウスと同概念の十二宮を用いる占術では、ハウス分割の方法はホールサインシステムが標準なので、結局のところサインと対応する十二支に従って毎年命宮が変わることになる。

紫微斗数の小限は、男女の別と生年支によって生年での小限宮が異なるとはいえ、西洋占星術の"Profection"にその起源を求めることが可能だろう。紫微斗数と西洋占星術の距離は、これまで考えていたよりも近いのかもしれない。なおProfectionにおいてASCを変化させるのは年単位に限った話ではないようで、年よりも小さい単位の時間で変化させるProfectionは斗君に相当するものになるのだろう。

Progressと大限、そして宮動派と宮不動派

これまで漠然とだが、西洋占星術の"Progress"においては、Progress計算の日時においてハウスカスプを再計算するものだと思っていた。紫微斗数においてProgressに相当するものというと、大限ということになるだろう。Progress計算でハウスカスプの再計算を行うということは、ホールサインシステムを使用する紫微斗数においては、宮動派の観法ということになる。

ところがホロスコープ作成ソフトのいくつかは、ハウスカスプの再計算を行わないオプションを備えていることがわかった。つまり西洋占星術においても宮不動派の観法があるということになる。

1日1年法のProgressはアラン・レオによって公開されたものらしい。そしてそれまでは、"Solar Arc Direction"法等で、星の位置を変化させることはあっても、ハウスカスプの再計算は行われていなかったらしい。もしこれらが事実なら、西洋占星術における宮動派の観法はアラン・レオが公開したことになる。伝統的な占星術の復興運動とともに、アラン・レオの評価は下がって行っているが、アラン・レオはどうも一筋縄ではいかない人物らしい。

2033年問題

林巨征先生東海林先生コラボ講習会で、太陰太陽暦2033年問題について質問してみたところ、東海林先生が台湾に行かれた時に老師方に質問して下さったそうだ。2033年問題については、台湾でも反応はまちまちで、2033年問題を知らなかった先生もいたらしい。この問題については、台湾でもまだ合意らしきものは形成されていないようで、東海林先生からは回答は3月まで待って欲しいと言われた。2033年問題を真剣に取り上げて下さったことについて東海林先生に深く御礼申し上げます。