周天の度数

中国天文学との比較から

現代はともかく近世とそれ以前の中国天文学では、周天の度数を1年の日数である365.2422°としていた。
ならば、西洋で周天の度数が360°だったのは1年の日数に近くてキリがいい360から採られたというのは火を見るよりも明らかだろう。

ところが世間じゃ、ちょっとでも占いのニオイがすると拒否反応を出す人がいて、約数の多い便利な数だからといった愚にもつかない理由を作ってくる。
基本、60進数はバビロニアが征服地との間で度量衡を整理する時に便利だったからで、約数が多いというのは結果であって原因じゃない。だいたい周天の度数は360°で60°じゃないし。

ついでだから言っとくと、

  • 12という数は1年が大雑把に12朔望月だから
  • 1日が24時間なのは、昼間と夜間の両方を黄道十二宮で支配させたから*1
  • 1週間が7日なのは1朔望月がざっと29.5日で、朔-弦-望が大まかに7日毎に巡ってくるから
  • 1週間の7日に星の名前が付いているのは、1日の最初の時刻のルーラがそうなっているから*2

とか、占星術と天文観測がベースになってる数は今でも生き残ってる。我々は占星術を無視することができてないのだよ。

*1:昼間が12時間、夜間が12時間で、1日は24時間

*2:占星術、カルディアン・オーダー、七曜』のエントリを参照