養壺のまねごとなど

茶渋の効果


茶壺(ちゃふぅ)の下半分くらいが濡れていて上は濡れてないのが分かるだろうか。この茶壺(ちゃふぅ)のセットを女友達*1からもらった時は上下とも水を撥いて濡れなかった。

それが使っている間に茶渋が染み付いた所は濡れるようになってきた。こういう茶渋による茶壺(ちゃふぅ)の風合いの変化を楽しむのを養壺(やんふぅ)というそうだ。それに気が付いてから、飲み終わった後にこんな感じで茶渋の染み込みを加速している。

養壺(やんふぅ)された時代物は珍重されているそうで、茶渋の染み込みを行う業者さんまでいるそうだ。養壺(やんふぅ)は、多分、半分だけ茶渋を付けるものでもないのだろうけど、面白いのでこのまま養壺(やんふぅ)の真似事を続けて行くつもりだ。養壺(やんふぅ)の決まり通り、しっかり茶渋が付いたらトクサで磨いてみるつもりでいる。

この茶壺(ちゃふぅ)がそうかどうかは判らないけど、養壺(やんふぅ)で育てる茶器は紫砂という荒い土で焼いたもので、元の土が荒いせいで内部に細かい隙間があって、そこに茶渋が沁み込んで行くのだそうだ。

これで思い出したのが『萩の七化け』だ。萩焼も荒い土を使って低温で素焼きして内部に隙間を残した上で、本焼きでは釉に貫入を発生させる。そのせいで茶とかが沁み込んで、使っているうちに風合いが変化するそうだ。なので手頃な萩焼の茶碗で凍頂烏龍茶を楽しんでみようと思う。

この『萩の七化け』については、『緋友禅 旗師・冬狐堂』で知った。確かこの本は、朱雀辰彦さん(id:sakashima2)がtwitterで紹介していたのに興味を惹かれて購入したものだと記憶している。メッチャ面白かったので、北森鴻の冬狐堂と蓮丈那智のシリーズは次から次へと購入して読みふけった。

萩焼の茶碗で凍頂烏龍茶を楽しんでみたら面白いかもというtweetmixiに流れて、それに玄珠さんがコメントしてくれた。もうとっくにやってて茶碗に銘まであるそうだ。もっとも玄珠さんが飲んでいるのは祁門(きーまん)紅茶で、凍頂烏龍茶とは違う。昔、アールグレイ祁門(きーまん)紅茶の量産品として開発されたと聞いたことがある。その時は「そんなことあるかい」と思ったけど、玄珠さんに祁門(きーまん)紅茶の好いヤツを御馳走になった時、「ありゃ本当だった」と納得した。

*1:そういえば中学から女気のない環境になったので、すっかり忘れていたけど、小学校の時から女友達から小物とか色々もらっていたのを思い出した。