三国相伝陰陽輨轄簠簋内伝金烏玉兎集
牛頭天王は祇園精舎の守護神とされている。後に素戔男尊と習合してしまうけれども、元々は天津神でも国津神でもなくインド起源の神だった。蘇民将来説話の武塔天神と早くから習合していたので疫神としての性格を強く持っている。最終的には神でも仏でもない存在になった*1姫路の廣峰神社は明治の神仏分離令せいで素戔嗚尊を祭神としているけれども本来は牛頭天王を祀っていて、牛頭天王の総本宮だ*2。楼門の中央部と拝殿の写真をあげておく。
簠簋内伝は、牛頭天王縁起と暦註の解説、そして安倍晴明説話の3段構成になっている。それがトリガとなったのか牛頭天王は陰陽道*3と結びついて行く。
牛頭天王と陰陽道の接点として考えられるのは、やはり暦だろう。賀茂保憲は宣明暦が早晩天象とずれてくることを見越して*4中国の最新の暦法の招来を考えていた。それがあって天台宗の日延が符天暦を持ち帰った。陰陽道と牛頭天王の接点としては、これが一番ありそうに思う。ただこれが接点だったとしても、そこから簠簋内伝までの道のりは全く不明だ。