十全老人

ちょっと政治の話でも

今日、togetterでこんなコメントした。

乾隆帝は十全老人と自称してはいるけど、口が裂けても自分の十全武功侵略戦争だったとは言わないだろ。

で2017年7月30日に内モンゴル自治区で行われた人民解放軍の創設90周年記念軍事パレードで、習近平は、

侵略してくるあらゆる敵を撃退する能力を備えた世界一流の軍隊を組織しなければならない。

世界はまったく平和ではない。平和を守る必要がある。

現在、われわれは偉大な中国の復活という目標にかつてないほど近づいている。そして、歴史上のいかなる時よりも、中国人民による強力な軍隊を築く必要がある。

どこであろうと党が示す方向に進まねばならない。

と演説した*1。この時、習近平は迷彩服を着ていたそうだ。で、こんなブックマーク・コメントを付けた。

『偉大な中国』って、十全老人でも目指してますか。

この時は「かもね」くらいだったけど、この記事を見て確信に変わった。習近平は二十一世紀の十全老人を目指している。習近平主導の下での清朝の再評価というのは、

習は征服史の代わりに巨大な文化・経済大国という新たな清のイメージを掲げ、その魅力ゆえにモンゴル、チベット中央アジア、台湾の住民は喜んで帝国に服従したのだと主張した。

ということだそうだけど、清朝といえば最盛期は乾隆帝=十全老人の時代なわけで、清朝の再評価ってのは最終的には十全老人の侵略戦争の正当化なんだろう。そして習近平は二十一世紀の十全老人となり、全ての対外戦争は侵略ではなくて向こうからの要請だったということにするのだろう。