蝕奏

2021-05-26の月蝕の影響を占ってみる

陰陽道研究家の木下琢啓先生が「天文博士は急ぎ蝕奏を出すべし」とtweetしてた。ビビッと来たので六壬でMundane*1の真似事をすることにした。

26日の月蝕は皆既月蝕*2で東京で20時18分42秒くらいに蝕が最大となる。ということで日本全体で戌刻に蝕となるということで良いだろう。得られた天地盤は天将の配置はともかくも、先日の安倍泰茂卿が草薙剣が出て来るかどうか占った時の天地盤と同じになった。それもあってやはり逆間伝(聯茄)になっている。昔風に三伝を書くとこんな感じだ。

占当日甲戌時加戌。勝光臨申為用、将白虎。中、天罡青龍。終、功曹六合。卦遇聯茄
(大意 月蝕となる甲戌日戌刻の占いで、勝光が申に臨んで発用となる。天将は白虎。中伝は天罡に青龍が乗じている。末伝は功曹に六合が乗じる。聯茄卦に遇った。)

私の六壬では西洋占星術との比較研究から地盤をホロスコープ占星術のハウスと見なしている。なので少々異端ではあるけれどもハウスの象から類神を取ることもある。

甲戌日なので支上神はホロスコープでいうと6室の象が社会で問題になっていると読める*3。健康問題ということになるだろう。そして支上神の陰神は地盤申なので、その健康問題は災害ということになる。COVID-19対策に追われる状況をしめしていると考えて良いだろう。

ただ申酉空亡なので支上神は空亡、その陰神は座空ということになる。月蝕の頃にはCOVID-19の蔓延は少し収まっているのではないだろうか。かなりワクチンの接種が進んでいるのかもしれない。

そしてこの課式は他にも他にも泰茂卿が得た課式と似た所があって、干上神の陰神である二課の陰神がそのまま支上神になって、一課から四課まで連鎖している*4。日干甲でその寄宮は寅なので末伝から干上一課が連鎖している。もちろん発用初伝→中伝→末伝は連鎖しているので、この課式は四課三伝全体で連鎖している。吉とみて良いだろう。

日干寄宮の寅宮は、ホロスコープの2室で固有名詞で言うなら財帛宮になる。今の政府を見ていると、考え難いけれども財政出動の可能性はある。末伝が禄徳を兼ねているので、もしあった場合は案外大きいものだろう。それは二課でしめされる家庭環境を助けるものになりそうだ。そして逆間伝なので先細りながらも長く続きそうだ。

なお昔風なオマケを付けるなら、丑宮で天盤徴明(水行)が地盤丑(土行)と天将貴人(土行)の両方から尅される夾剋が発生しているので、丑年生まれの男女と寅年生まれの男性、午年生まれの女性は月蝕が悪い影響を及ぼすかもしれないので用心した方が良いだろう。昔なら物忌みだろうか。

*1:ホロスコープ占星術を使って社会の動きなどを占う。

*2:私の趣味で虫食いの蝕を使っている。

*3:泰茂卿なら『推之』で始めるところだ。

*4:泰茂卿が得た課式では、三課→四課→一課→二課の連鎖になっている。