方位の術

時間と空間

中国占術では時間と空間を同質なものどして扱っているのは間違いない。十二支は空間つまり方位にも使用されるし、時間にも使用される。西洋占星術でもハウスを使用するなら、観測地点を特徴付ける子午線と地平線を使用してハウス分割を行う以上、ハウスであれば時間も空間も分割しているはずということになる。


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にも関わらず西洋占星術では方位の概念が希薄だ*1と思う。移動・移転に関わる西洋占星術の技法で私のスコープに入っているのは、ロケーショナル占星術くらいしかない。

ロケーショナル占星術での基礎となる技法はリロケーション・チャートで、同じ出生時刻を使用しながらも移転先の緯度経度を使用してチャートを作成し、本来の出生図と比較しながら吉凶象意を読み解く。つまり出発点と到着点での比較を行うものの、移動そのものから発生する吉凶を扱うことはない。

以前から不思議に思っていたのだけど、昨日の『中央にいるのは人か神か』のエントリを読み返していて、ハツと思い至った。西洋では中心は神が占めているので、人がどの方向に移動するかについて意義を見いだしにくいのではないだろうか。

追記(2021/04/26)

このエントリについて、水埜明善さん(@genius_bonus)からコメントをもらった。

古典占星術にはちゃんと方位の術があったようだ。

*1:あくまで管見だが。