『鬼滅の刃』と『簠簋内伝』

童磨と道満

鬼滅の刃』に出て来る重要な役割の鬼について、その名前の由来について幾つか考察がネットにアップされているけれども、結構あからさまな元ネタがあるのに話題になってないものがある*1。例えば十二鬼月上弦の参である『猗窩座(あかざ)』は、このブログでネタにしたように、その名前からして食用にもなる雑草のアカザから採られているのは間違いないだろう*2

そして迂闊なことについ先日気が付いたのだけれども十二鬼月上弦の弐の『童磨』もそうだ。死ぬ間際に胡蝶しのぶから満面の笑みで「とっととくたばれ糞野郎」といわれてしまう童磨だ。

安倍晴明の敵役の芦屋道満には似通った読みの別名が幾つかあり道摩(どうま)もその一つになる。

この名前は『簠簋内伝』に収録されている『晴明朝臣入唐伝』で採用されていて道摩法師として登場する。どう考えても道摩(どうま)法師が童磨(どうま)の元ネタだろう。

『晴明朝臣入唐伝』に出て来る安倍晴明はちょっとオ間抜けで、妻を道摩法師にNTRされちゃうし、NTRされた妻が秘密を洩らしたせいで道摩法師に首を刎ねられたりする*3

芦屋道満とか道摩法師は安倍晴明の敵役だけれども、その子孫を名乗る家系は幾つもあるようだし、「蘆屋塚」「道満塚」「道満井」の類も数多く残っている。考えてみたら私も山伏の祖父がいるので法師陰陽師の系統になるだろう。なので晴明が属する官人陰陽師とは対立してるわけだ。

*1:私のアンテナが低いだけなんだろうけど。

*2:花言葉は『恥じらい』だそうだ。聞いたか猗窩座。

*3:ちゃんと生き返って仕返しをするけどね。