衛の霊公

男の娘が可愛い期間

twitterのTLに「修学旅行、隣で寝てるクラスメイトが妙に色っぽくて目のやり場に困る」が流れてきた。修学旅行だし、男の娘かと思ったらやはりそうだったので、こんなtweetをした。

例外として念頭にあったのは小池鉄平だけど、小池鉄平が現状でどれくらいオッサン化しているかは確認してない。面白かったのがフォローしている人から少し反応があったこと。私がフォローしている人で『男の娘』時代があった人の率は他よりは高いのかもしれない。可憐な男の娘であっても、顔がオッサン化する前に手とかゴツくなってしまうのは避けられないよね。

この男の娘が可愛い期間が女子のそれと比べて短いというので思い出すのが『韓非子』の『説難』に出てくる弥子瑕(び-しか)だ。実在の人物で衛の霊公の寵愛を受けた。同じ人物の同じ行動が、その人物への評価の変化によって、行動の評価が正反対になることだってある、その例としてあげられている。弥子瑕の行動というのは以下だ。

  • 病気の母親を見舞うため、王様の馬車を無断で使った。
  • あまりに美味しい桃だったので、食べかけの桃を王様に差し出した*1

弥子瑕が可愛い盛りには、これらの問題行動が衛の霊公にとっては心地のよいものだったのに、盛りを過ぎてから思い返すと腹立たしくなって霊公は弥子瑕に罰を与えたのだそうだ。そこから『余桃の罪』という言葉が生まれている。韓非はこれを引きながら、君主に献策することの困難さを説いている。韓非子で説得の困難さを解説するくらいに韓非は故国で絶望的な状況に置かれていたのだろう。

しかし衛の霊公、『韓非子十過』にもやらかしのエピソードがあるので、多分、生きていた当時はアホな王様として認識されていたんじゃないかな。

追記(2020/08/27)

玄珠さんによると、『霊』とか『幽』がつく王とか諸侯の名前は生前のアホな行いへの諡らしい。

*1:中国人は他人の食べ残しを食べるということについて強い侮辱と感じることがあるので御用心。その食べ残しが全くの手付かずであってもだ。