謹賀新年
昨年中に書こうと思っていたのだけど、もたもたしてたら年が明けてしまった。おめでとうございます。本年も宜しく御願いします。
『帰蔵』について「占文の素朴さからみて、かなり古い占書ではないかと思う」。
— 大野裕司(術数学) (@onoyuji_daye) December 29, 2019
素朴とは何か?『帰蔵』の文は素朴か?素朴なら古いのか?など、これはよくないですね……。
(特に素朴=古いは昔からの社会進化論の影響なのでよくない)https://t.co/8wbNJ7fIHe
で、同じ「はてなブログ」ということもあって半知録さんをフォローした。易について真面目な記事が集まっているけれども、実際に周易で占っている野良の占い師としては、ちょっと、という感じも受ける。例えば『卦名の由来』というエントリなんだけど、
ところで、各卦の象伝では、大部分が「卦象+卦名」の形で記されている。ところが、乾のみ「天行健」と、卦名と一致しないのである。これも、帛書『周易』では乾を「鍵」に作っていたことが注目される。「乾」の卦名が古くは「健」であったとすれば、この象伝もまた「卦象+卦名」の大例から外れていないことになる。乾の卦名も、もとは「鍵」あるいは「健」とされていた可能性がある。
こういう問題って象伝だけ見てるせいなんじゃないだろうか。彖伝をみると、乾卦そのものではないにせよ、需や訟の彖はこうなっている*1。
需須也。険在前也。剛健而不陷、其義不困窮矣。需有孚光亨、貞吉、位乎天位以正中也。利渉大川、往有功也
訟上剛下険。険而健、訟。訟、有孚窒、愓中吉、剛來而得中也。終凶、訟不可成也。利見大人、尚中正也。不利渉大川、入于淵也
となっていて、小成八卦の乾が剛や健で表されていることが判る。六十四卦中八純卦は卦名が八純卦を構成する小成八卦の名前と共通*2しているので、乾が剛や健だったことがあるのは間違いないところだろう。
他にも、『陰⚋陽⚊の起源』のエントリで、陽爻陰爻は数字に由来するとしながらも、それがどの数字だったかはまだ定説がないように書かれているけれども、陰爻は六(∧)だと思う。何故なら今の易経の爻辞では陰爻を六としているからだ。まぁ爻辞で陽爻は九だけど10進1桁の数字で最初の1と最後の9には共通性があったのではないだろうか*3。
資料批判の観点からは色々あるのだろうけど、野良の占い師としてはザックリこう考えている。