死の宗教

日本も案外、儒教の影響を受けてる

「日本は儒教の影響を受けなかったから中国・朝鮮と違って近代化に成功した」という妄説があるみたいだけど、なんのことはない、日本も儒教の毒はたっぷり回っている。

加地伸行先生の『儒教とは何か』を読めば好く解る。例えば『位牌』、これは周の武王が商(殷)の紂王を討つべく出陣した時に押し立てた文王の木主が原型だ。つまり位牌は儒教起源、そういうことになる。また法事の三回忌を一区切りとするというのも、儒教の『三年の喪』からきている。

普段は気が付いてないだけで、日本もしっかりと儒教圏に組み込まれているわけだ。余談だけど文王の木主は文王の身長に合わせた大きさだったかもしれない。というのが岡崎にある徳川家の菩提寺である大樹寺にある、歴代将軍の位牌は本人の死亡時の身長に合わせてあるという説があるからだ*1

加地先生によれば儒教は葬祭儀礼をコアとする死を扱う呪術宗教という側面を持っている。なので、儒教と風水、特に陰宅風水が結びつくことになんの不思議もない。

三浦國雄先生が『風水講義』を書く時に底本とした『地理人子須知』がまさにそういう本で、儒教による風水の解説書となっている。

*1:本当にそうなら犬公方綱吉はかなりの低身長だ。