45年くらい見続けた幻

泰山の月律分野蔵干

この45年くらい「阿部泰山の月律分野蔵干で午の蔵干には己が無く丙と丁だけ」と確信していて、他人にもそう言っていた。しかも「ちゃんと読んでいないけど淵海子平はそうなってるんじゃないの?」というオマケ付きで。そうしたら、ちゃんと淵海子平をチェックしてくれた術友がいて、

このあいだ淵海子平の午の蔵干に己が入ってないと言ってたので調べてみたら、淵海子平の午の蔵干に己入ってました。淵海子平じゃなく違う本だったのか気になってます。

と教えてくれた。愕然とした私は実家に置いてある泰山全集の17巻『四柱推命極意秘密皆傳』を読み返してみた。すると23頁に、

今假りに甲日に生れて午の月節に生れたものありとすれば節入後十日間は初氣の丙を採る故に食神となる十一日より十九日目迄卽ち中氣の間に生れたものは己の蔵干を採る故正財となる、

とあった。泰山全集2巻の蔵干表にも午の中気に己が入っている。つまり、私はこの45年くらい間違った思い込みをしていて、他人にもそう語ってきたということになる。しかしこうして事実を確認した今でも、私の脳裏には十二支を孟仲季にわけて午に己が無い蔵干を書いた書影*1が、浮かんでくる。記憶の捏造は恐ろしいものだ。

ともあれ、これまで間違ったことを言い続けてきました。申し訳ありません。そしてチェックしてくれた術友に感謝します。

*1:泰山全集の17巻の書体が使われている。