それは天保暦の置閏法

天保暦と時憲暦

日本でも中国でも二十四節季を恒気法から定気法に変更*1した時、同じ問題に直面することになった。つまり1朔望月の中に2つの中気が入ってくるとか、中気を含まない朔望月が2ヶ月出現したりするとかだ。日本の天保暦では閏月は季節とのズレの調整のためという本来の閏月の意義と重月や欠月のない暦作成という2つの目的を両立させるためのギリギリの妥協として以下の置閏法を採用している。

  • 二至二分つまり春分夏至秋分冬至を含む朔望月については季節の指標として、それぞれ二月、五月、八月、十一月とする。
  • 二至二分を含む朔望月の間に3つの朔望月が入る時、その中で中気を含まないものを閏月とする。

しかしながら、この原則の下では西暦2033年に暦の作成ができなくなってしまうというのは、この「はてな」でも知らないってことは仕方がないことではあるけどというエントリで説明したり、あの国立天文台が『旧暦2033年問題について』というコラムをアップしていたりするので、かなり知られるようになってきたと思う。では中国の時憲暦はどうしているかというと1年が13朔望月の場合は最初の中気を含まない朔望月を閏月とするという、ちょっと荒っぽい置閏法を採用している。時憲暦では本質的に2033年問題は発生しない。

ところで以前発生した椎羅さんの『紫微斗数入門』の盗作問題や、私の自動紫微斗数にケチをつけてくれたこと等から敵認定して監視している安倍一輝さんがYouTubeに『紫微斗数暦注意点』をあげているわけだけど、ここで説明しているのが天保暦の置閏法なわけだ。『旧暦2033年問題無し。』というエントリで時憲暦で作られた農暦だと問題ないと言っていた、あの安倍一輝さんが旧暦2033年問題という爆弾を抱えた天保暦の置閏法を説明している。なんか違うんじゃない?と感じるのは私だけだろうか。

ま、私としてはこっちをみて欲しいね。

紫微斗数と暦の問題

*1:西洋天文学に倣った。