占星術的時間

ここでいう占星術的時間というのは、地球の自転や公転運動に基づいて作られた1平均太陽日を24時間とし、1時間を60分とし、1分を60秒とする時間のシステムを指している。物理の発展によって、メートル原器といった原器は役割を終えて、物理の基本定数からメートルや秒、キログラムが決定されるようになった。

秒は今のところは原子時計によって決定されている。この秒を積み上げる形で時間・時刻のシステムが構築されている。これを物理的時間とよんでおこう。ところが占星術的時間と物理的時間は微妙にズレている。このズレが積み重なって1秒くらいになった時、どうするかというと、物理的時間が閏秒という形で占星術的時間に歩み寄っているわけだ。

この閏秒には批判が多い。世界中の基本的な時計に小細工をしないといけないからだ。それでも未だに閏秒は廃止されてはいない。我々はそれと知らなくても未だに占星術的時間の中で生活していることになる。

またカレンダーには七曜が必ず記載されている。この七曜は占星術における古典的な七惑星に基づいていて、毎日毎日、その日を支配する惑星が入れ代わるわけだ。しかし七曜は何故今まで生き残ってきたのだろう。それはおそらくは朔弦望の周期が大まかに言って7日だからだろう。ここでもまた占星術的時間が現代の我々に影響を与えていることが判る。

ちょっと話はズレるけれども、トランプの枚数が52枚なのは1年が52週だからという話がある。つまり1年は大まかに52朔弦望ということだ。52は1年の数ということになる。52から端数を取り去った50は中国では大衍数とよばれている。50の大衍数もまた1年の数なのだろう。こういったことを考えずに、バラツキが一様になるように筮竹は49本から始めようなどというのは、やはり枝葉末節で賢しらな思考だと思う。