感想とか

『元年春之祭』

Amazonから以前Kindle版で購入した『元年春之祭』の書評を書いてくれという依頼が来た。最近は綾辻行人の『館シリーズ』を読み返していたので購入したことをすっかり忘れていた。書評というには烏滸がましいものしか書けそうもないので、感想など書いて行くことにする。

『元年春之祭』は前漢武帝の時代に、旧楚領であった雲夢(うんぽう)を舞台に発生する連続殺人事件に博識の御嬢様が対峙するという推理小説だ。著者は中国人で日本語に訳されている。推理小説にはよくある『読者への挑戦』が2回もあるという、多分、著者にとっての意欲作だ。雲夢はその睡虎地から多量の秦簡が出土し、その中には術数関係のものも含まれており、術数の研究に大きな影響を与えた。そういう地名が小説冒頭に出てきたのでオォっとなったのだけど……

じきに読み進めるのがしんどくなってきた。なんというか探偵役の御嬢様が魅力的ではないのだ。知識が上滑りしている感じがする。博識というには半ちくな感じがするのだ。特に『 太一』についての論考を展開する箇所とかは、同じ李零先生の論考を背景としながらも独自の観点からの考察もある、玄珠さんの『さすらいの天乙シリーズ』*1を読んだことのある人間にとっては全然食い足りなかった。それと私としては博識の御嬢様ならもっと超然としていて欲しいのだけど、全然超然さが足りてない。

もう一点、書中で雲夢は山間部で崖もあるような場所として描かれているけれども、Wikipediaによると雲夢は平原らしい*2

否定的な感想で申し訳ない。

確定申告

確定申告の季節がやってきた。山吹海帆さんが『占い師のための確定申告入門』という講座を開かれるそうだ。私は国税庁の『確定申告書等作成コーナー』を利用して紙で提出している。この国税庁のサイトで確定申告書を作成すると最終的にはPDFのデータが出力されて、後は各自印刷して提出ということになっている。

この最終的なPDFはパスワードによるプロテクトがかかっているので、ネットプリントのサービスでは印刷できない。そこで出番となるのが、MicrosoftのDocument Writerだ。PDFの印刷でプリンターとしてDocument Writerを選ぶとPDFをXOPSやOPSに変換することができる。このXOPSやOPSネットプリントで印刷することができる。プリンターを持ってない人、インクジェットよりもレーザープリンターな人は7-11へゴー。

*1:Nifty FFORTUNEでの連載。
(2023-05-06追記)なおこれを元ネタにしたものを東アジア恠異学会第136回定例研究会で発表した。

*2:雲夢県-Wikipedia