北斗七星夜柄長

北斗七星についてダラダラと

JAPANESE MYTHOLOGY & FOLKLORE”というサイト*1がある。Facebookの知り合いの関係から“Big Dipper cult and Myoken worship in Japan”というエントリがあがっていることを知った。“Big Dipper”というのは“Dipper”が『柄杓』なので、北斗七星ということになる。“Little Dipper”という星座もあって、小熊座の中で北極星を含む柄杓型の部分のことだ。主にUSAで通用する呼び名のようだ。北斗七星がBigなのは大熊座に含まれているからだ。

件のエントリのタイトルは『日本での北斗信仰と妙見礼拝』とでも訳しておこうか。妙見菩薩は中国で生まれたもので北辰を尊格化して菩薩とよんだものだ。ところで、この『北辰』とは何かという話はちょっとややこしい部分がある。曰く、北極星である、曰く、北斗七星である、曰く北極星と北斗七星を合わせたものである、曰く、北斗七星の輔星である等色々だ。件のエントリでは北極星と北斗七星を合わせたものとしているようだ。そして件のエントリにあげてある妙見像をみると、剣を持っているところからすると『玄天上帝』が妙見菩薩となる前の姿であったと推測できる。この場合、北極星が玄天上帝であり剣が北斗七星ということになる*2

さて件のエントリでは抜け落ちているようだけど、妙見、玄天上帝とくると『鎮宅霊符神』が連想される。『鎮宅霊符』は現代では72枚の符となっているけれども、それとは別に玄武と剣を組み合わせた意匠の1枚物があったようで、平安・鎌倉の陰陽師はこちらを使っていたらしい。貴重な現物がヤフオクに出品されたこともある。銅製で釘で打ち付けておくための穴があった。風水の師である陳俊龍先生に写真を見せたところ、「本物なら100万でも安いだろう。裏の文言の年号は中国のもので、文言に特に火難を避けると書かれていることから、日本からの注文品であったと考えて善いだろう。」とのことだった。

さて、北斗とくれば中国の少数民族の一つである『納西(ナシ)族』は北斗の民である。駿河台出版社のサイトにある『【ナシ語】第3回 ~ ナシ族の衣食住~』では、以下のようにある。

麗江市のナシ族女性の民族衣装は、紺色を基調としたもので、ブラウスとズボン、チョッキ、前掛けと、羊の毛皮で作った背当てからなっています。ye’eel(ヤグ、もしくはヨグ)と呼ばれるこの背当てには、7つの丸い刺繍の飾りがつけられており、北斗七星を表していると言われます*3

なお、納西族は男は働かなくて女性に養ってもらうそうだ。

そして北斗七星といえば、六壬式盤における天盤中央の北斗七星を忘れるわけにはいかないだろう。

*1:日本の神話とフォークロアとでも訳すべきか。

*2:鮑黎明先生がよく北斗は天帝の剣であると言ってたことを思い出す。

*3:写真はこのサイトから拝借した。