十二建除

十二建除は日本では『暦の中断』とか『十二直』と呼ばれている。かっては重用視されていたのだけれども、省みられなくなって久しい。日本での十二建除の訓は本来とは異なっているのではないかというのは、『建す』や『秦に踏みつぶされた楚の十二建除』で述べてきた通りだ。『建』は“たつ”ではなく“さす”と読むべきだし、『危』は『跪』で“あやう”ではなく“ひざつく”と読むべきだろう。

さて、奇門遁甲六壬神課が重なる領域に『地四戸法』がある。これは十二建除の中の、除、定、危、開をもって吉とするものだ。時代が下がって董公択日では、除定危開の他に月毎に吉の十二建除があることが解説されている。

現代の通書においても十二建除は重視されている。択日の半分くらいはこれで決まるのではないだろうか。通俗な訓読みと私なりの読みをあげておく。

十二建除 俗訓 私読
たつ さす、おざす
のぞく のぞく
みつ みつ
たいら たいら
さだむ、さだん さだめる
とる とる
やぶる やぶる
危(跪) あやう ひざつく
なる なる
おさむ おさむ
ひらく ひらく
とず とず

なお口伝では、『収』の日は変なものを吸収することがあるので、羅盤や筮竹とか出さない方が善いらしい。