『鉄板神数』という占術がある。『アガスティアの葉』の中国版とも言える占術で、生年月日時に未婚・既婚や両親が健在かどうか等の情報から、生年月日時に補正をかけて最終的に1刻2時間を8分割した15分単位まで絞り込む。後はそれが指す条文を読めば一生のことが書いてあるという代物だ。SF作家の星新一も鉄板神数の占いを受けて、大体当たっていたそうだ。
鉄板神数の創始者は邵雍*1とされている。邵雍が作り出したものが『邵子神数』でそれが幾つかに分派したものを整理して出来上がったものが『鉄板神数』らしい。邵子神数は貧乏だった邵雍が、子孫が頭が悪くても何とか食っていけるように、完璧にマニュアル化した占術で、計算方法を知ったらそれで終わりの面白みに欠ける術だという話もある。
計算方法は長い間秘伝とされていたのだけれど、幾つかの書籍で公開されたそうだ。もっとも私は全然知らない。
さてこの鉄板神数の基になった占術に紫微斗数や河洛理数があったとされている。邵雍は儒学者であったけれども、有名な道士であった陳摶*2の弟子筋から学び、『皇極経世書』において時間の大系を完成させた人なので、陳希夷が創始したとされる紫微斗数や河洛理数についての知識があったとしても不思議ではないだろう。
さて最初に『鉄板神数』を『アガスティアの葉』の中国版といったけれども、これは実は比喩ではない。『アガスティアの葉』もまた、ホロスコープをパターン化したもので、生年月日時から月を除く惑星の位置はおよその所は決まってしまうので、それをパターン化してしまう。後は親族や未婚・既婚の情報から基本パターンを細分化したものを前もって作っておけば良いわけだ。15分単位くらいまで絞り込めば、かなり詳細にハウス分割もできるだろう。
このアイデアは『鉄板神数』でも共通していて、紫微斗数の命盤の数は生年干支60×生月12×生日30×生時12=259,200くらいの数となる。これを前もって整理して10,000とか20,000くらいまでパターンを絞り込んだ結果が鉄板神数というわけだ。