twitterでフォローしている、さかい@技術系占星術使い(@astsakai)さんのtweetを見ていたら、すごく重要なtweetがあった。
ついにというか、国立天文台が「旧暦2033年問題」を扱いました。紫微斗数関係者必読です。http://t.co/3H0IsKZrZm
— さかい@技術系占星術使い (@astsakai) 2013年5月2日
旧暦2033年問題についてという記事で、天保暦のシステムでは2033年の太陰太陽暦が作成できないことが丁寧に説明されている。ただ中国で採用されている『時憲暦』のシステムでは、どうやら冬至を十一月とするのは固定されているが、
- 冬至から冬至までが12朔望月の場合は、冬至を含む十一月から朔望月に機械的に月をふって行き、中気との関係は無視する。
- 冬至から冬至までが13朔望月の場合は、最初に出てくる中気を含まない朔望月を閏月として、他は中気との関係を無視して朔望月に機械的に月をふって行く。
2032-2033年の場合は12朔望月しかないので、2033年の冬至まで機械的に月がふられて行くことになる。そして2033-2034年の場合は13朔望月となるが、2033年の冬至を含む十一月の直後の朔望月が中気を含まないので、それが閏十一月ということになって以降は中気との関係を無視して月がふられて行くことになる。詳しくはリンク先の国立天文台のサイトで確認して欲しい。
ということで『時憲暦』のシステムでは、暦が作れないということはないようだ。しかし本来の閏月の成り立ちから考えると『時憲暦』のシステムはかなり荒っぽく見える。また紫微斗数が生まれた時の暦のシステムが『時憲暦』ではなかったのは間違いない。ということで、紫微斗数で使う暦はどういったものであるべきか、という問題にはまだ答えが出ていないように思う。個人的には定気の二十四節気を使っているから話がややこしくなっているだけのように思う。
そして2033年問題は、紫微斗数だけではなく他の占術にも影響を及ぼしている。
どれも朔望月が何月か決まらないと計算できないものばかりだ。日本ではカレンダー屋さんが六輝を付けられなくて困ることだろう。なお国立天文台の解説記事では以下のように書いており、暗に『時憲暦』と同じ暦*1を推奨しているように感じた。
旧暦は既に廃止されており,公的機関がどの案を採用するか決定することはないだろう.皆さんならどれがお好みだろうか.ちなみに中秋の名月は,案1の場合は9月8日,案2の場合は10月7日ということになる.2014年の中秋の名月も9月8日なので,案1のように冬至を優先しても,そのせいで中秋の名月が早くなりすぎるということはない.
*1:件の記事では『案1』