今日は戊辰

六壬者にとっては今日はちょっと特別な日だ。今の月将は未なので子刻には720課の中で唯一の渉害課綴瑕格が出現していたことになる。渉害課には、渉害の数で初伝発用の決まる見機格、渉害の数では初伝が決まらず地盤の十二支の孟仲季で初伝を決める察微格、それでも決まらず仕方なく第一課を初伝とする綴瑕格*1がある。

ただ綴瑕格のやりかたで初伝を出すのは、少し広い範囲で見てみると他にもある。同じく戊辰日の返吟課では、三課と四課は土支だけなので賊剋が発生しない。一方、一課は戊の寄宮する巳の冲なので亥となって土剋水の賊がでる。二課は一課亥の冲なので巳になり、水剋火の賊となる。どちらも賊なので比用を考えると、陽日にどちらも陰支なので比用では決まらない。

そこで渉害の数を数えると、

  • 一課では、巳の中に寄宮の戊、午はなく、未とそれに寄宮する己、申酉はなくて戌、亥にはない。結果として渉害の数は4になる。
  • 二課では、亥と寄宮する壬、子、丑に寄宮する癸、寅卯辰巳にはない。結果として渉害の数は4になる。

ということで、どちらも渉害の数が4となって初伝が決まらない。では地盤の孟仲季を見ると、どちらも孟支でやはり初伝が決まらない。そこで大六壬探源なんかでは、仕方なく一課の亥を初伝としている。これも綴瑕格の一種だろう。戊戌日の返吟課でも同じことが起こる。

*1:ずっと“ソウカ”と読んでいたけど『綴』には“ソウ”の読みが無く、“テッカ”とでも読むのが正しそうだ。