月の運動はややこしい

六壬用のプログラムを作っているのだが、ニ煩格の判定をするためには月の軌道計算が必要となる。当初は月の公転周期の1/4くらいの間隔で計算しておいて、後は補間でしのぐつもりだったが、そう甘くないことがわかった。そこでこれまでやるつもりはあったが手を出さずにいたことにトライすることにした。

月の黄経を0.5日刻みで計算して、最初に直線回帰計算を行い、残差から周期成分を抜き出すという地道な作業である。日野幹あたりでちゃんと勉強してから始めればよかったか。本当は Swiss Ephemeris の開発元に問い合わせるべきなのだろうが、やはり自由に使えるものが欲しい。ざっと見たところ2週間くらいの周期成分もありそうで、補間でしのぐのをやめて正解だった。

寺田寅彦ならこういう時には、残差の時間変化を人間の可聴域に縮めて作った音を聞かせて、当たりをつけていったりするのだろうか。確かによく訓練された人間なら何度か聞けば、周期成分を抜き出すことはそんなに困難ではないだろう。寺田寅彦はこういった訓練された人間の直感を利用する測定器を夢想していたらしい。