“rectify”（補足）

やっぱり不親切だった

先日の“rectify”のエントリは、やっぱり不親切過ぎるかな、ということで色々補足していこうと思う。

まず中島君の命宮が紫微＋破軍でオッケー出したのは破軍星が芯の強さを与えてくれると判断したからだ。
そして夫妻宮が無正曜なので対宮の官禄宮の主星が廉貞・貪狼になることが大きい。夫妻宮は結婚生活を表すハウスで、配偶者として好みやすいタイプが出ることが多い。そして男はその傾向が強い。一方、女性は好みのタイプが福徳宮に出やすい。もっともこれは絶対ということではない。男で福徳宮に出る人もいれば、男女共、夫妻、福徳とは違うタイプを好きになることもある。

中島君の生時創造では、兄弟宮に天機（化権）を譲れない条件として組み立てている。ハウスの十二宮のどこに化権があるかで、当人が勝てない人物を推測できる。元のアイデアは中国で生まれたけど、国内でそれに着目してた紫微斗数研究家では椎羅さんが嚆矢というところではないだろうか。なお命宮とか福徳宮に化権があると私のようにフリーダムな人間ということらしい。

剣崎さんの生時創造で、最初に命宮の位置を決めたのは椎羅流の重盤法*1を使っている。1対1の人間関係を抑える上での基本技法だ。2人の命盤で、御互いの命宮が自分から見てどのハウスになっているかで判定する。この場合、命宮－命宮、父母宮－兄弟宮、夫妻宮－福徳宮、子女宮－田宅宮、財帛宮－官禄宮、疾厄宮－奴僕宮、命宮－遷移宮の7通りが発生し、それぞれに意味がある。好き合う2人でベストなのが夫妻宮－福徳宮の組み合わせだ。

中島君の命宮は未なので、そこから見て夫妻宮は巳、福徳宮は酉になる。そこに剣崎さんを象徴する廉貞か貪狼を入れて星の組み合わせを見て行くわけだ。この場合、丙年生まれだと廉貞が化忌という凶星になるので、剣崎さんを早生まれに設定したわけだ。剣崎さんの命宮を巳とすると、廉貞と貪狼が同宮するのでこれは避けた。命宮酉で貪狼を入れてなるべく凶にならないようにできる日が4月1日までに来なかったので、命宮酉で廉貞をいれると、破軍と同宮することになるけれども右弼と天鉞の助けがあるので、そこまでの凶にはならない感じだ。

ということで2人の命盤を決めることができて、その命盤となる日時から生時創造が終わった。なお剣崎さんの両親の一方に不貞があったかもしれないという推測をした理由は紫微斗数全書に書いてあるそうだけど、私はそれを椎羅さんから教わった。

*1:件の盗作本にも出てたけど、たとえ独立に発送したとしても、当然のように椎羅さんの方が早い。

“rectify”

生時創造

占い用語の“rectify”は多くの場合『生時推測』の意味で使用される。ただ“rectify”の本来の意味は『修正』なので『生時修正』の方が相応しいだろう。紫微斗数とかで稀にあるけれども、計測された出生日時で出した命盤だと当人とまるで合わないことがあり、生時を1刻前後させると適合性の高い命盤が得られることがある。その原因は幾つかあると思う。まずは暦の問題だろう。紫微斗数は太陰太陽暦をベースにしているため、朔（新月）の日時の地域性の高さや閏月の問題がある。これについては以下の動画を参考にして欲しい。


www.youtube.com

しかし暦の問題が解決されたとしても恐らくは、実際に測定された出生日時から適合性の低い命盤が出てしまうことがあるんじゃないかと考えている。

そこで“rectify”が必要になる。私も“rectify”とまではいかないけれども、独自の方法で命盤の適合性をチェックしている。その方法が知りたい方は有料のnote*1を購入して下さい。200円です。インド占星術では、人生のイベントと占星術の判断を詳細に突き合わせて“rectify”を行うので、鑑定の時間の多くが“rectify”で消費されると聞いたことがある。鉄板神数はこの“rectify”の方法がかなり突き詰められているようで、出生日時に対して結婚した歳とかを使ってシステマティックに“rectify”を行う技法がある。

もっとも私がこれからやろうとしているのは、マンガの登場人物のキャラクターから出生日時を決定しようという『生時創造』とでもいうべきものだ。対象にするのは、TATSUBONさん作の『かわいいひと*2』の中島君と剣崎さんだ。そして紫微斗数を使う。

中島君は普通の女子より遥かにかわいい男の子でケンカはもちろん気が弱い。それでも剣崎さんを守るためなら勇気を振り絞って身体をはることができる。そして女装が趣味。剣崎さんは背が高くてスラっとしててケンカがメッチャ強い。女装男子と女子のイチャラブを百合とよぶかどうかは宗教論争になると思うので、ここでは踏み込まない。ただアクション映画に感化されてはしゃぐ中島君は女装してるのにちゃんと男の子してることは指摘しておきたい。

さて生時創造の前提として、中島君と剣崎さんが今年高1ということで、2006年4月2日～2007年4月1日生まれということにする。なので2人は丙戌もしくは丁亥年生まれということになる。丙年の場合、天機が化権となる。中島君は妹のお願いには逆らえなくて、それが女装の切っ掛けになっている。

西洋占星術では水星が兄弟を象徴する惑星となっている。紫微斗数では天機が水星に最も近く天機を兄弟星にしている。そこで化権のついた天機を兄弟宮に入れることにする。これで妹に逆らえない兄の出来上がりだ。この場合、命宮に紫微が入る。これでハウスの十二宮への紫微系の星の配置が完了する。

命宮父母福徳田宅官禄奴僕遷移疾厄財帛子女夫妻兄弟
紫微　　　　　　廉貞
忌		　　　　天同
禄		武曲太陽　　天機
権

私は遷移宮を第1印象としての外見とすることが多い。紫微系の星だけだと遷移宮に星が入らない。そこで天府系の星でかわいい感じというと天相くらいしかないように思う。天相を遷移宮に入れて天府系の星を配置する。

命宮父母福徳田宅官禄奴僕遷移疾厄財帛子女夫妻兄弟
紫微　　　　　　廉貞
忌		　　　　天同
禄		武曲太陽　　天機
権
破軍　　天府太陰貪狼巨門天相天梁七殺　　　　　　

ここで紫微星と天府星が寅－申の軸で対称に回転することを考えると、父母宮は寅か申しかない。父母宮が寅の時には命宮が丑、父母宮が申の時は命宮は未になり、そこに紫微が入ることになる。太陽と太陰の吉度合いを考えると命宮未の方がよさそうだ。するとこんな感じになる。宮干は五虎遁で振ってある。

命宮父母福徳田宅官禄奴僕遷移疾厄財帛子女夫妻兄弟
乙未丙申丁酉戊戌己亥庚子辛丑庚寅辛卯壬辰癸巳甲午
紫微　　　　　　廉貞
忌		　　　　天同
禄		武曲太陽　　天機
権
破軍　　天府太陰貪狼巨門天相天梁七殺　　　　　　

ここで遷移宮を華やかにしてかわいさを強化するために文昌か文曲を丑の遷移宮に入れることを考えると、酉刻生まれが確定する。そうすると生まれ月は太陰太陽暦の三月ということになる。命宮干支が乙未で納音五行が金、金四局で紫微が未に入るのは十四、廿四、廿七日の3つになる。これは現行の太陽暦で4月11、21、24になる。四柱八字の干支を考えて4月21日生まれとした。“rectify”した中島君の出生日時は2006年4月21日酉刻生まれとなる。東京で酉刻のど真ん中といことで17:41を出生時刻とする。この条件で主要な星を入れた紫微斗数の命盤はこうなる。



禄存
鸞		 天機　廟（権）

左輔　擎羊

 紫微　廟
破軍　旺

右弼　地劫
癸巳 夫妻宮 甲午 兄弟宮 乙未 命　宮 丙申 父母宮
太陽　旺

陀羅

 中島君
2006年04月21日 17:41
丙戌年三月廿四日酉刻
乾命　金四局
天府　旺
天鉞
壬辰 子女宮 丁酉 福徳宮
武曲　利
七殺　旺

姚
太陰　旺
火星　廟
辛卯 財帛宮 戊戌 田宅宮
天同　利（禄）
天梁　廟
天空
馬
天相　廟
文昌　廟（科）
文曲　廟
巨門　旺
鈴星　陥

 廉貞　陥（忌）
貪狼　陥
天魁
刑喜
庚寅 疾厄宮 辛丑 遷移宮 庚子 奴僕宮 己亥 官禄宮

この命盤からすると夫妻宮が無正曜なので対宮の官禄宮をみると廉貞・貪狼があり、中島君は廉貞・貪狼の人にひかれやすいことになる。前のエントリ通り、剣崎さんであってる。なお田宅宮から見て中島君にとっては、多分だけどお母さんの影響が強い感じに見える。太陰が火星と同宮しているので、普段はもの静かなお母さんだけどキレるとヤバ目だ。お父さんは矛盾した性格を併せ持っていて、無邪気な所と老成した面の両方がある。ただどんな人もまずは好きになってみようとする感じだ。

心配なのが官禄宮で、中島君が今生でやってみたいことは叶わない感じだし堅気の仕事は無理かもしれない。主夫なら可能かも。

次は剣崎さんだけど中島君との相性を考えると、命宮は巳か酉という所だ。それと剣崎さん的には廉貞に化忌はキツい感じなので、丁亥年生まれということになる。すると暦から2007年2月18日以降の生まれになる。それで色々考えて出した剣崎さんの命盤はこうなる。

紫微　旺
七殺　平
左輔　陀羅
地劫　天空　馬

禄存

擎羊



乙巳 財帛宮 丙午 子女宮 丁未 夫妻宮 戊申 兄弟宮
天機　利（科）
天梁　廟
文昌　得
鈴星　陥　　鸞		 剣崎さん
2007年03月26日 11:41
丁亥年二月八日午刻
坤命　土五局		 廉貞　平
破軍　陥
右弼　天鉞
甲辰 疾厄宮 己酉 命　宮

天相　陥
火星　利

文曲　陥
刑喜
癸卯 遷移宮 庚戌 父母宮
太陽　旺
巨門　廟（忌）

姚		 武曲　廟
貪狼　廟


 天同　旺（権）
太陰　廟（禄）
天府　得
天魁
壬寅 奴僕宮 癸丑 官禄宮 壬子 田宅宮 辛亥 福徳宮

命宮に廉貞・破軍で拳で語るタイプに見えるのでピッタリだ。田宅宮がかなり良いので、ご両親はちゃんとした人みたいだ。ヤンキーになったのは本人の特性だろう*3。官禄宮に武曲・貪狼とあって勝負事に強い。トレーダーで充分食っていける感じだ。

出生時創作はこんな感じだ。創作やる人は人物設定で命占が役にたつかもしれないので、1つくらいは覚えておいて損はないと思う。

*1:ハウスの象の活用

*2:kindleインディーズで1巻と2巻が出てます。無料です。またtwitterやpixivでも連載が続いてます。pixivの連載はこちら。

*3:もっとも両親のどちらかに不貞があってそれにショックを受けたのが切っ掛けという可能性は否定しない。

廉貞と貪狼

椎羅教室を見学した

5月29日に東アジア恠異学会で発表を終えて三宮で一泊して、翌30日に西宮の椎羅教室を見学した。最近はもっぱら資料批判を含めた『紫微斗数全書』の購読をやっているとのことだった。それでも実占に役立つ話も沢山聞くことができた。『紫微斗数全書』全4巻も2巻が終わる所まで来たそうだ。30日は十四主星の性情がテーマのパートで太陰星から始まった。

今までの自分の感覚と異なっていたのが貪狼星だった。十四主星の中で廉貞と貪狼が桃花の星で、どちらかといえば廉貞が男の、貪狼が女の桃花という感じだ。ところが星の性情としては廉貞・貪狼の両者とも武人の星だ。なので星が吉の状態だと両方とも武人らしく背が高い。『紫微斗数全書』が書かれた時代は、太っていることは栄養状態の良さをしめす指標だったので、吉の場合は太っていることになっていたけれども、現代だと吉なら肥満ではないだろう*1。なので貪狼女子は色気ムンムンではないということになる。

なので貪狼女子も内面のエッチ度はともかく背が高くてスラっとしていてケンカがメッチャ強かったりするんだと思う。私が愛読している『かわいい人*2』の剣崎さんみたいな感じだろうか*3。

廉貞と貪狼の違いは、廉貞がオレ・ルールを貫くのに対して、貪狼は何のしがらみも無く本能の赴くまま快を求める所だろう。

論語子路第十三で孔子はこう語っている。

不得中行而與之。必也狂狷乎。狂者進取。狷者有所不爲也。
大意
中庸の徳を持つ朋友が得られないなら狂か狷の人しかないだろう。狂の人にはしがらみなんてないから進取の気勢があるし、狷の人はオレ・ルールであってもそこから外れることが無い。

狂の人が貪狼で狷の人が廉貞という所か。でもまあ孔子って面倒臭いジイサンだよね。

*1:国民の1人当たりの所得が低い世界では、今でも太っている方が吉だろうけど。

*2:kindleインディーズで1巻と2巻が出てます。無料です。

*3:中島君と剣崎さんのレクティファイはいずれやってみたい。

さそり座と“chariot”

“tank”じゃない方の戦車


黄道十二星座のさそり座は中国の二十八宿では幾つかに宿に分解される。α星のアンタレスとその両隣の星を合わせた3つの星が心宿、サソリのツメを構成する4つの星が房宿となっている。星図はWikipediaから拝借して心宿と房宿の説明を付け加えた。
ところで、この心宿と房宿を合わせて、古代の戦車*1としていた*2こともある。心宿が戦車本体で房宿は戦車を牽く4頭の馬だ。
この戦車は王のための戦車で、王と御者と護衛が乗っている。中央のアルデバランアンタレスが配置上御者でその両隣が王と弓を構えた護衛になる。御者が左輔、護衛が右弼ということなのだろう。御者なので『輔』には車、弓を構えた護衛なので『弼』には弓が含まれているということだと思う*3。

アルデバランアンタレスには『大火』の別名があり、かって曾侯乙墓が築かれた時代*4までアルデバランアンタレスの辺りに秋分点があった。つまりその時代にはアルデバランアンタレスが日没頃に昇ってくる時期には太陽が春分点付近にあるということになる。それは本格的な春の始まりを意味している。古代中国には北斗の柄、破軍星が秋分点を指すという確信があった。そのため曾侯乙墓から出土した有名な漆塗りの衣装箱では破軍星が心宿を指している。

つまり破軍星が剛強なのは秋分点を指すという特性からきている。この当時は心宿は六壬黄道十二神の大衝に対応していて、奇門遁甲の天馬太冲法は何かあった時には秋分点のある大衝（太冲）を目指せば何とかなるという法だ。この天馬太冲は今でもそのままの形で『破軍星の繰りよう』として伝わっている。天馬太冲は楠流軍学の『大星の伝』でもあるので、由井正雪も知っていたと思う。

ただ歳差運動の影響でアルデバランアンタレスは秋分点から遠く離れた。なので六壬者は指斗法を使う。
※アルデバランとアンタレスを間違えていたという体たらく。心宿3星の役割分担を含めて玄珠さんが教えてくれた。（2022-06-06）

*1:chariot

*2:この辺りは玄珠さんに教わった。

*3:間違いがあったので直した（2022-06-06）

*4:紀元前433年頃

茉莉花茶

占いの話じゃないです

安いジャスミン茶の見分け方

この前、法事で一家がそろった時に姪が御土産にジャスミン茶をくれた。

かなり良いやつみたいで、茶葉に茉莉花*1の花冠が入っていない。
実は茉莉花の花冠が入っているのは中級品以下の品質で、茶葉へのジャスミンの香り付けが足りてないために花冠を加えてある。

これについてはヘイズ中村さんから凄い話を聞いたことがある。なんでも茉莉花のツボミの中に茶葉を押し込んで香り付けを行って、花が開いて落ちて来る茶葉を集めるのだそうだ。
もっともこの話は泥鰌の地獄鍋みたいな話らしい。実際にはそこまでの手間はかけてないし、香り付けは何回か繰り返すらしい。ただ茉莉花の花が開くときの香りは珍重されるみたいで、花が開きかけのツボミを採取するのだそうだ。

ということで、ジャスミン茶の高級品には、ジャスミンの花冠は入ってない。

*1:マツリカ、アラビアジャスミンともいう。モクセイ科ソケイ属

天罡星

天の数、地の数

水滸伝とか読んだことのある人なら、天罡地煞それぞれの数が36と72なのは知ってると思う。
天罡数が36なのは、おそらくは10進で最大の数9と天象に基づく12の最小公倍数から来ているのだろう。単純に12と9の掛け算じゃないのは人の数である108と被るからじゃないだろうか。地煞数が72なのは地の数8と9の最小公倍数から来ているのだろう。地の数として8が選ばれているのは、4だと天罡数の36と被るからだろう。4や8が地の数なのは天円地方の理から来ている。地は無限に広い正方形として認識されていた*1。なので地の数の基本は4で、8はその発展形ということになる。さらに発展して16や64まである。太乙神数の式盤は16区分だ。羅盤の玄空大卦は64卦全部ある。

天罡数が36、地煞数が72、そして天を戴き地を履む人の数は合計の108となる。もっとも人の数は、これとは別に時間のサイクルの12刻の12と9との積からも来ている。さらには、大いなる周期の数である432に含まれる108*2も人の数となるだろう。

罡と剛

ところで、罡は剛と書かれることがある。『五行大義』では『剛』が採用されている。天の剛強な星である北斗七星の破軍星には天罡の別名がある。中国人には破軍星は秋分点を指しているという信念がある。六壬の黄道十二神で、秋分から始まり黄道十二宮の天秤宮に対応しているのが天罡の名を持つのはそれ故だ。多分、破軍星としての天罡があって、その天罡が天罡数に援用され、天罡数と対をなすべき数として地煞数が生み出されて、それぞれが星としての存在を与えられて天罡地煞の108星が作り出されたのだろう。

*1:地面に立つと、前後左右への無限の広がりとして地を認識することになる。ついでにいうと地面に寝転んで天を見上げれば、その等方性から無限に広い円を感じるだろう。これが天円地方だ。

*2:大いなる周期である地球の歳差運動の周期の25,920は432×60に分解できる。

周天の度数

中国天文学との比較から

現代はともかく近世とそれ以前の中国天文学では、周天の度数を1年の日数である365.2422°としていた。
ならば、西洋で周天の度数が360°だったのは1年の日数に近くてキリがいい360から採られたというのは火を見るよりも明らかだろう。

ところが世間じゃ、ちょっとでも占いのニオイがすると拒否反応を出す人がいて、約数の多い便利な数だからといった愚にもつかない理由を作ってくる。
基本、60進数はバビロニアが征服地との間で度量衡を整理する時に便利だったからで、約数が多いというのは結果であって原因じゃない。だいたい周天の度数は360°で60°じゃないし。

ついでだから言っとくと、

  • 12という数は1年が大雑把に12朔望月だから
  • 1日が24時間なのは、昼間と夜間の両方を黄道十二宮で支配させたから*1
  • 1週間が7日なのは1朔望月がざっと29.5日で、朔－弦－望が大まかに7日毎に巡ってくるから
  • 1週間の7日に星の名前が付いているのは、1日の最初の時刻のルーラがそうなっているから*2

とか、占星術と天文観測がベースになってる数は今でも生き残ってる。我々は占星術を無視することができてないのだよ。

*1:昼間が12時間、夜間が12時間で、1日は24時間

*2:『占星術、カルディアン・オーダー、七曜』のエントリを参照